2010年
3月
03日
前号では猫に咬まれると、恐ろしい「パスツレラ感染症」という
病気にかかることがある、というお話をしました。
http://www.yoheikudo.com/?p=60.html
今回はその続きです。
このパスツレラ菌という細菌は、
猫の口から、飼い主の肺に入り、肺炎を起こすこともあります。
これも、健康な成人であれば滅多に肺炎は起こしません。
ですから過剰な心配はいらないでしょう。
しかし、慢性気管支炎や気管支拡張症、肺結核にかかったことがある方など、
肺の病気を持っている方は、感染率が高いので注意が必要です。
ですから、そういう方がご家族や周りにいる方は、
ペットの扱いには注意するようにアドバイスしてあげてください。
このパスツレラ感染症は、近年のペットブームに伴って増加しています。
ある論文によると、年25%づつ増加しているとも言われています。
ネコに咬まれたところが一見、小さな傷でなんでもないように見えても、
24時間は赤く腫れてこないか、要注意して観察していてください。
もちろん、腫れてくる前に、咬まれたらすぐに病院を受診して
抗生物質を内服しておくことを重ねてオススメします。
ここまでの話しを聞いて、
「私はペットに猫を飼っていないから大丈夫!」
と思った方もいらっしゃるかも知れませんね。
しかし、実はペットを飼っていない方でも、咬まれる危険があります。
友人の家へ遊びに行って、そこで飼われている猫に咬まれることもあります。
また、ノラ猫やに咬まれることもあります。
庭をいじっていたら、そこにノラ猫がいたのに気付かず、
シッポを踏んでしまい急に咬まれた、というパターン。
また、
「かわいいと思って野良猫にエサをあげてたら、急に咬まれた・・・」
というパターンもあります。
全て、私が実際に皮膚科の外来で経験したパターンです。
ネコに咬まれたところが、24時間以内に急速に腫れてきて、
39℃まで熱が一気にあがり、そのまま入院になった方も経験しています。
ですので、動物に咬まれたときの対処法やそれに関する病気を
知っておくことはとても重要です(^^)
2010年
2月
25日
前号では猫に咬まれると感染率が高い、というお話をしました。
http://www.yoheikudo.com/?p=59.html
さらに猫には特徴的な、原因菌があります。
それが「Pasteurella(パスツレラ)菌」です。
この菌は、猫の口の中に60~90%という高い確率で存在します。
これまでお話したように、通常、動物に咬まれた時の
原因菌は、黄色ブドウ球菌が多いです。
その場合、咬まれてから感染の症状が現れるまで、
2~3日かかります。
しかし、このパスツレラ菌の場合、
「多くは24時間以内、長くても48時間以内」に急速に感染症状を起こします。
これが、一番の特徴です。
咬まれたところが赤くはれて、熱っぽくなり、痛みも出てきます。
この症状自体は通常の感染と変わりません。
全身の発熱が起こる確率は20%と言われています。
咬まれた傷が深いと、菌が深いところまで達し、
化膿性関節炎や骨髄炎など、骨や関節、筋肉にまで炎症を起こすことも
(ごくごく稀にではありますが)あります。
50歳以上の方、高齢者、乳児、糖尿病の方、、ガン患者さん、または
肝臓や腎臓が悪い方などは、免疫力が低いため、感染しやすいです。
感染したあとも、重症化したり、治るまで長期化しやすい傾向にあります。
続きは次回お話します。
2010年
2月
17日
前回、ペットに咬まれたときの「感染」の症状についてお話しました。
http://www.yoheikudo.com/?p=58.html
そこで今日は「ネコ」に咬まれたときの対応についてお話します。
猫に咬まれた傷は「小さくて深い」のが特徴です。
そのため、犬などの他の動物に比べ感染しやすいと言われています。
医学論文にもよりますが、ネコに咬まれた時の感染率は「28~80%」です。
それに対して、犬に咬まれた時の感染率は「2.1~5.7%」です。
この違いは10倍以上ですよね。
つまり、
「ネコに咬まれたときは、犬に咬まれたときより10倍感染しやすい」
ということですね!
逆にいえば、いかに猫に咬まれた時の感染率が高いかが、
わかっていただけるかと思います。
そのため、医学的には、
「猫に咬まれたら必ず抗生物質の内服が必要!」
という原則があります。
よく覚えていてください。
案外、猫に咬まれても何も対応しないで済ませてしまう方も
いらっしゃると思います。
でも、実は、猫は感染率が高いんですね。
ですから、原則として病院を受診されることをオススメします。
そして、抗生物質を内服されることをオススメします。
さらにさらに、猫には特徴的な感染の症状があります。
続きは次回お話します。
2010年
2月
13日
あなたは何かペットを飼っていますか?
「ネコ、もしくはイヌを飼っている」という方が一番多いでしょうか。
もっと珍しい動物を飼っていらっしゃる方もいるかも知れませんね。
では、あなたは飼っているペットに咬まれたことはありますか?
一度や二度は軽く咬まれたことがある方も多いかも知れませんね。
ペットなどの動物に咬まれたとき、
ついつい、咬まれた「傷」や「出血」などの手当てに目が行きがちです。
しかし、忘れてはならないのが「感染」です。
動物の歯や爪についている「細菌」が、
咬まれた傷を通じて人間の体内に入り、「感染」します。
感染した際の典型的症状は・・・
・咬まれたところが赤く腫れる
・その傷のあたりが熱っぽくなる
・痛みも伴う
です。
通常は、原因となる菌は黄色ブドウ球菌などです。
この場合、咬まれてから、感染症状が起こるまで、
2~3日かかります。
実は、ネコと犬に咬まれたときでは、
対応が全然異なります。
さて、犬と猫に咬まれたときは
どっちが危険でしょうか?
続きは次回お話しますね。
2010年
2月
03日
前回、帯状疱疹後神経痛の症状についてお話しました。
http://www.yoheikudo.com/?p=52.html
この後遺症ができるだけ出ないようにするには、どうすればよいのでしょうか?
それは、まず第一に、
「帯状疱疹が発症してからできるだけ早く、治療を受けること」が重要です。
帯状疱疹を抑える、「抗ウイルス薬」を早く投与すればするほど、
帯状疱疹の痛みや後遺症の発症率を抑えることができます。
抗ウイルス薬の投与は、原則としては
「皮疹が出てから5日以内」です。
「なーんだ、そんなことか、簡単ですね。」
と思われた方もいるかも知れません。
しかし、この病気について予備知識がないと
「なんか重苦しいなぁ」「なんとなく痛がゆいなぁ」
「あれ、ちょっと赤いぶつぶつが出てきたぞ・・・
まぁでも市販の塗り薬でも塗って様子みてみるか・・・」
などと様子をみているうちに、5日や1週間が過ぎてしまうことはよくあります。
また、女性の「乳房の近く」や「陰部の近く」に出ることも多いので、
「なんとなく、場所が場所だし・・・
お医者さんに見せるのが恥ずかしいし、面倒だな」
と思って、病院受診が遅れる方もいます。
我々皮膚科医からすると、
「どうしてここまで我慢できたの!?(@@;」
と思うくらい、
発疹が広がって、水疱が破れて浸出液が沢山出て、
ものすごい痛みを伴った状態で来院される患者さんを沢山診ます。
こういったことは、
(1)帯状疱疹の典型的症状を知る
(2)できるだけ早く病院を受診して、抗ウイルス薬を投与する必要があることを知る
ことで防げます。
先日、うちの母も帯状疱疹になりましたが、
「以前から祖母からよくこの病気の話を聞いていたので、
帯状疱疹の出た場所が太ももの付け根だったけど、ピンときてすぐ病院に行った」
と言っていました。
是非、先に述べた「典型的な症状」を覚えておくことをおすすめします。
また、家族や周りの方に「こんな病気もあるんだよ」
というお話しをしてあげて、知識を共有化することもおすすめします。
長くなっってしまったので、
「帯状疱疹の治療・対処のコツ」
などについては、また後日、機会を改めてお話しますね。
2010年
1月
27日
私の友人で東北放送の
現役アナウンサーの三橋泰介さんが、
会話についてのビジネス本を
出版されました!
http://wondertalk.xsrv.jp/neo/neo.php?6mor77lo9h6v47zjb3rqy8m5
三橋さんは、楽天イーグルスの実況中継を担当し、
実況コンテストで全国1位になった経験もある人です。
そんな三橋さんの今回の本は、
「超かんたんに話し方が上手くなる本」です。
今まであったような会話本とは
全然違います。
この本の凄いところは、もしあなたが
「気弱な人」であっても
「あがり症」であっても
「草食系」であっても
まったく問題なく、会話が上達するメソッドが
網羅されていることです。
先日も夕食を食べながらじっくりお話しましたが、
本当に沢山のトークの技を教えていただきました。
本書ではプロのアナウンサーが使っている
まさに裏ワザが55も紹介されています。
今日中に購入されますと、
4大特典がついてきます。
http://wondertalk.xsrv.jp/neo/neo.php?6mor77lo9h6v47zjb3rqy8m5
2010年
1月
22日
前回までで、帯状疱疹の典型的症状についてお話しました。
http://www.yoheikudo.com/?p=51.html
今回はその後遺症についてです。
「帯状疱疹後神経痛(PHN:post herpetic neuralgia)」
とは、
帯状疱疹の皮膚の症状が治ったにも関わらず、
数か月あるいは、数年、数十年にわたり、「神経痛」だけが残ってしまうことです。
ちょっとした「ピリピリ感が残る」程度の方もいますが、
「電撃が走るようなビリビリした痛み」で眠れなくなったり、
通常の日常生活が送れなくなるほどの方もいます。
痛みが続き、うつ状態になる方もいます。
患者さんは痛みを
「やけるような」「刺すような」
「電気が走るような」「締め付けるような」と表現します。
病変部を軽く触れただけで痛みや違和感を感じる方もいます。
通常の痛み止めの内服薬で改善しない場合は、
麻薬の内服薬を使用したり、神経ブロック注射をしたり、治療に難渋します。
治療はときに、数か月、数年と長期間に及ぶこともあります。
この後遺症ができるだけ出ないようにするには、どうすればよいのでしょうか?
続きはまた次回お話します。
2010年
1月
15日
前回は、帯状疱疹の原因について簡単にお話しました。
http://www.yoheikudo.com/?p=50.html
今回は、症状についてです。
「水痘」と「帯状疱疹」は原因ウイルスが同じですが、
その「症状」は全く違います。
帯状疱疹の「典型的な症状」を挙げます。
大事なので(その理由は後述します)、覚えておくと良いかと思います。
まず、皮膚に症状が出る数日前から、
病変部の皮膚に、「神経痛のようなピリピリした痛み」や、
「重苦しさ、違和感」「痛がゆい感じ」がします。
そして、その数日後に、皮膚症状がでます。
最初は、数ミリ大の「少し盛りあがった小さい赤み」ですが、
その後、徐々に小さい「水疱(みずぶくれ)」ができはじめます。
そして少しずつ発疹の範囲が広がっていきます。
この発疹は数日でピークをむかえますが、
この水疱がどんどん広がり、広範囲に及ぶこともあります。
この頃は、かなり強い
「ぴりぴりとした痛み」を感じるようになります。
また、発疹が広範囲に広がった場合、発疹が治まった後にも、
皮膚に潰瘍(きず)・瘢痕(へこみ)が残ることもあります。
ただし、このウイルスは神経に沿って悪さをするので、
発疹の範囲は、神経の範囲、神経の走行に沿った出かたをします。
そのため、基本的には、体の片側にでます。
神経は体の左右で別な枝が伸びていることが多いためです。
例えば、顔の右半分、体の左半分、右の太ももだけ・・・
などのようにです。
そのため、体の正中線を越えて両側に出るようなことがあれば、
帯状疱疹でない可能性が高いです。
痛みのピークは、発疹が出てから7~10日ごろです。
その後は徐々に痛みは治まってきて、消えます。
発疹は徐々にかさぶたになり、3~4週間で治癒します。
多くは、茶色く色素沈着(しみ)が残りますが、
数か月から数年で徐々に消えていきます。
これが「典型的な」症状です。
ただし、病院の受診と治療が遅れると、大変な後遺症が残ることがあります。
それが帯状疱疹後神経痛です。
続きはまた次回お話しますね。
2010年
1月
07日
今回は、「帯状疱疹(たいじょうほうしん)」についてお話します。
「帯状疱疹」は、高齢者の病気だと思っている方もいますが、
からだの免疫力・抵抗力が低下した時に発症するので、若くても発症します。
ですからあなたにも発症する可能性があります。
そして、病院の受診と治療が遅れると、
大変な後遺症(帯状疱疹後神経痛)が残ることがあります。
きちんと、この病気について知っておくことをおすすめします。
帯状疱疹はウイルスが原因で起こります。
原因ウイルスは、
「varicella-zoster virus(水痘-帯状疱疹ウイルス)」です。
「水痘(すいとう)」と「帯状疱疹」は同じウイルスが原因です。
そのため、このウイルスに「水痘-帯状疱疹ウイルス」という名前がついています。
ちなみに、この「水痘(すいとう)」とは「みずぼうそう」のことです。
あなたは子供の頃、「水ぼうそう」にかかったでしょうか?
水ぼうそうは、「水痘ワクチン」があるので、
ワクチンを接種した方もいらっしゃるでしょう。
この「水痘-帯状疱疹ウイルス」が、初めて子供の体に感染すると、
「水痘(水ぼうそう)」を発症します。
水痘自体は、1週間で治りますが、
実は、このウイルスは死滅するわけではありません。
体内に残り、からだのどこかの神経の一部に潜伏します。
普段は、そこでおとなしくしています。
何年も、何十年もおとなしく潜伏しています。
ですから、ほとんどの大人は、このウイルスを既に持っています。
ところが、あなたがストレスや病気、疲れたりして、
からだの抵抗力が落ちてくると、
それまで潜伏していたウイルスが再活性化し、
神経を伝ってウイルスが顔をだし、皮膚にも悪さをします。
これが「帯状疱疹」です。
次回は、典型的な症状についてお話します。
2010年
1月
02日
前回、沢山の漢方薬がニキビに効果があるとされている
というお話をしました。
ざっと挙げても
・清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)
・荊芥蓮翹湯(けいがいれんぎょうとう)
・排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)
・桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
・小柴胡湯(しょうさいことう)
・十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)
・加味逍遥散(かみしょうようさん)
などがあります、というお話もしました。
では、この中で何を使えば良いのでしょうか?
まずは、「清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)」がオススメです。
清上防風湯は、古くからニキビに対して処方されていた漢方薬です。
基本的に、顔や頭のニキビに効果があります。
前回もお話しましたが、
漢方では、「この病気には、このお薬です」というように、
「病気」と「お薬」の関係が、決して一対一ではありません。
個人個人の体質や全身の状態を総合的に判断して、
それに合ったお薬を飲みます。
この個人の総合的な状態のことを「証(しょう」と言います。
つまり、仮に「病名」が同じでも、個人の状態(証)によって
処方されるお薬が変わる、ということです。
証に合わないお薬を投与しても、あまり効果が得られません。
そこが漢方薬を処方する際に難しいところです。
しかし、この清上防風湯はあまり、「証」にこだわらずに処方しても
効果がある、という利点があります。
ですから、ニキビであれば(あまり難しく「証」を考えず)
まずは清上防風湯を試してみる、というのも良いでしょう。
清上防風湯の効果を示した1997年の論文もあります。
28名のニキビ患者さんに対して、
通常の抗生物質の治療に加えて、清上防風湯を併用したところ、
軽症のニキビ患者さんの80%、
中等症の患者さんの73.3%、
重症患者さんの62.5%
に対して、有効だった、というものです。
ニキビで悩んでいて、
「普通の抗生物質の治療だけでは効果がイマイチ」
という方は、漢方薬を併用してみてみることをオススメします。