2010年
1月
02日
前回、沢山の漢方薬がニキビに効果があるとされている
というお話をしました。
ざっと挙げても
・清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)
・荊芥蓮翹湯(けいがいれんぎょうとう)
・排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)
・桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
・小柴胡湯(しょうさいことう)
・十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)
・加味逍遥散(かみしょうようさん)
などがあります、というお話もしました。
では、この中で何を使えば良いのでしょうか?
まずは、「清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)」がオススメです。
清上防風湯は、古くからニキビに対して処方されていた漢方薬です。
基本的に、顔や頭のニキビに効果があります。
前回もお話しましたが、
漢方では、「この病気には、このお薬です」というように、
「病気」と「お薬」の関係が、決して一対一ではありません。
個人個人の体質や全身の状態を総合的に判断して、
それに合ったお薬を飲みます。
この個人の総合的な状態のことを「証(しょう」と言います。
つまり、仮に「病名」が同じでも、個人の状態(証)によって
処方されるお薬が変わる、ということです。
証に合わないお薬を投与しても、あまり効果が得られません。
そこが漢方薬を処方する際に難しいところです。
しかし、この清上防風湯はあまり、「証」にこだわらずに処方しても
効果がある、という利点があります。
ですから、ニキビであれば(あまり難しく「証」を考えず)
まずは清上防風湯を試してみる、というのも良いでしょう。
清上防風湯の効果を示した1997年の論文もあります。
28名のニキビ患者さんに対して、
通常の抗生物質の治療に加えて、清上防風湯を併用したところ、
軽症のニキビ患者さんの80%、
中等症の患者さんの73.3%、
重症患者さんの62.5%
に対して、有効だった、というものです。
ニキビで悩んでいて、
「普通の抗生物質の治療だけでは効果がイマイチ」
という方は、漢方薬を併用してみてみることをオススメします。
2009年
12月
22日
前回、ニキビに漢方薬が効きます、というお話をしました。
こういった漢方のお話をすると
「でも、漢方薬を薬局で買うと凄く高いんです!」
「一か月分で1万円以上しました!」
という方も時々いらっしゃいます。
これは、意外に知らない方も多いのですが、
実は漢方薬は、ふつうに健康保険がききます!
ですから、病院で処方してもらえば、
通常払うお金は3割負担で済みます。
普通のお薬をもらうのと同じように
病院で漢方薬も処方してもらえるんです。
もちろん、世の中にある全ての漢方薬に健康保険がきく訳ではありません。
しかし、意外に多くの病気に対して、健康保険の認可がおりています。
(この、厚労省から認可がおりることを「保険適用」といいます)
皮膚科でいえば、
ニキビ、じんましん、湿疹、体のかゆみ、
あせも、お子さんの湿疹、顔のしみ・・・などなど
多くの病気に対して、保険がきく漢方薬があります。
ですから、まずは、病院で相談してもらい、
保険がきく漢方薬で、ご自分にちょうど良いものがあるかどうか
聞いてみても良いかもしれませんね。
これは、皮膚科だけでなく他の科でも同じです。
ですから、あなたがもし、内科や他の科で悩んでいたら
是非、漢方薬も検討してみてください。
漢方薬を処方するかどうかは、
「医師が漢方薬に対する知識があるかどうか」
「漢方薬を処方する意思があるかどうか」
にかかっています。
「西洋医学のクスリだけしか処方しない!漢方薬は認めない!」
というお医者さんですと、ちょっと処方してもらうのは難しいでしょう。
漢方薬を扱っている病院やクリニックをインターネットで
検索してみても良いと思います。
ホームページに、漢方薬を扱っていることを明記している
クリニックも結構あります。
すでに普段から通っている病院がある方は、まずは、
「私の病気に漢方薬とかってどうなんでしょうか?」
とさりげなく聞いてみて、主治医の先生の反応をみるのが一番かも知れませんね。
「高額な漢方薬を専門に扱う薬局」に駆け込む前に、
一度、主治医の先生に相談してみることをオススメします。
2009年
12月
07日
病院でのニキビ治療と言うと、「抗生物質の塗り薬による治療」
が最も一般的です。
あなたが、ニキビで悩んで皮膚科を受診したことがあるなら、
「ダラシンゲル」や「アクアチムクリーム」
などの塗り薬の名前を聞いたことがあるかもしれません。
しかし、頑固なニキビの場合、塗り薬で一時的に良くなっても、
しばらくすると、また繰り返し出てきてしまうこともしばしばです。
そこで、そんな頑固なニキビには、
次の一手として、「抗生物質の飲み薬」が使用されることが多いです。
しかし、「飲み薬まではいらないです」という方も結構います。
そういう方に、オススメの治療法があります。
それが「漢方」です。
ニキビに効果があるとされる漢方薬は
結構たくさんあります。
・清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)
・荊芥蓮翹湯(けいがいれんぎょうとう)
・排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)
・桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
・小柴胡湯(しょうさいことう)
・十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)
・加味逍遥散(かみしょうようさん)
などなど。
こうして漢字を並べると、目がクラクラしますね・・・。
漢方の難しいところは、この中のどれでも良い、というわけではないところです。。
にきびなら、どのお薬でも効く、というわけではありません。
西洋医学ですと「病名」が決まると、必然的に「お薬」が決まる傾向にあります。
漢方では、「この病気には、このお薬です」というように、
「病気」と「お薬」の関係が、決して一対一ではありません。
個人個人の体質や全身の状態を総合的に判断して、
それに合ったお薬を飲みます。
つまり、仮に「病名」が同じでも、個人によって処方されるお薬が変わる、ということです。
この総合的判断は、それなりの熟練を要します。
漢方薬の知識と経験が豊富な医師や薬剤師さんの診断が必要です。
次回は、にきび治療の漢方薬について、
もう少し詳しくお話していきます。
2009年
11月
23日
ある日の診察室。
30代の女性患者さんに、
「診断はニキビですね」
と言ったところ
「いえ!これは吹き出物です!」
と強く否定されたことがありました。
その時は、その意味が判りませんでしたが、あとになって、
「ニキビは若い人。20歳過ぎたら吹き出物(に名前が変わる)」
と信じている女性が多いと知りました。
確かに一般向けの美容の本を読むと、堂々とそう断言している本もありますね。
しかし、これは医学的には全くの間違いです。
ニキビも吹き出物も全く同じものですし、年齢で区分けできるものではありません。
「大人の吹き出物はホルモンバランスが原因だからニキビとは別もの」
のように解説している本もあります。
もちろんホルモンバランスは大きな原因ではありますが、
それだけが原因ではありません。
逆に言えば、思春期のニキビだってホルモンバランスが影響しています。
また、「20歳を過ぎたら」ではなく、
「”25歳”を過ぎたら吹き出物です!」と書いてある本まであります。
「何歳でわけるのか?」というところさえ、あいまいなようです。
インターネットのフリー百科事典「ウィキペディア」でも
「成人のニキビは吹き出物とされる」
と書いてありますが、よく見ると脚注が付いていて、
[要出典]
と書かれています。
「要出典」とはつまり、「きちんとした根拠がないので、証拠が必要です」ということですね。
皮膚科のお医者さんで、「20歳過ぎたら吹き出物」と思っている人はほとんどいないのではないでしょうか。
あくまで、ニキビはニキビです。