2010年
2月
03日
前回、帯状疱疹後神経痛の症状についてお話しました。
http://www.yoheikudo.com/?p=52.html
この後遺症ができるだけ出ないようにするには、どうすればよいのでしょうか?
それは、まず第一に、
「帯状疱疹が発症してからできるだけ早く、治療を受けること」が重要です。
帯状疱疹を抑える、「抗ウイルス薬」を早く投与すればするほど、
帯状疱疹の痛みや後遺症の発症率を抑えることができます。
抗ウイルス薬の投与は、原則としては
「皮疹が出てから5日以内」です。
「なーんだ、そんなことか、簡単ですね。」
と思われた方もいるかも知れません。
しかし、この病気について予備知識がないと
「なんか重苦しいなぁ」「なんとなく痛がゆいなぁ」
「あれ、ちょっと赤いぶつぶつが出てきたぞ・・・
まぁでも市販の塗り薬でも塗って様子みてみるか・・・」
などと様子をみているうちに、5日や1週間が過ぎてしまうことはよくあります。
また、女性の「乳房の近く」や「陰部の近く」に出ることも多いので、
「なんとなく、場所が場所だし・・・
お医者さんに見せるのが恥ずかしいし、面倒だな」
と思って、病院受診が遅れる方もいます。
我々皮膚科医からすると、
「どうしてここまで我慢できたの!?(@@;」
と思うくらい、
発疹が広がって、水疱が破れて浸出液が沢山出て、
ものすごい痛みを伴った状態で来院される患者さんを沢山診ます。
こういったことは、
(1)帯状疱疹の典型的症状を知る
(2)できるだけ早く病院を受診して、抗ウイルス薬を投与する必要があることを知る
ことで防げます。
先日、うちの母も帯状疱疹になりましたが、
「以前から祖母からよくこの病気の話を聞いていたので、
帯状疱疹の出た場所が太ももの付け根だったけど、ピンときてすぐ病院に行った」
と言っていました。
是非、先に述べた「典型的な症状」を覚えておくことをおすすめします。
また、家族や周りの方に「こんな病気もあるんだよ」
というお話しをしてあげて、知識を共有化することもおすすめします。
長くなっってしまったので、
「帯状疱疹の治療・対処のコツ」
などについては、また後日、機会を改めてお話しますね。
2010年
1月
22日
前回までで、帯状疱疹の典型的症状についてお話しました。
http://www.yoheikudo.com/?p=51.html
今回はその後遺症についてです。
「帯状疱疹後神経痛(PHN:post herpetic neuralgia)」
とは、
帯状疱疹の皮膚の症状が治ったにも関わらず、
数か月あるいは、数年、数十年にわたり、「神経痛」だけが残ってしまうことです。
ちょっとした「ピリピリ感が残る」程度の方もいますが、
「電撃が走るようなビリビリした痛み」で眠れなくなったり、
通常の日常生活が送れなくなるほどの方もいます。
痛みが続き、うつ状態になる方もいます。
患者さんは痛みを
「やけるような」「刺すような」
「電気が走るような」「締め付けるような」と表現します。
病変部を軽く触れただけで痛みや違和感を感じる方もいます。
通常の痛み止めの内服薬で改善しない場合は、
麻薬の内服薬を使用したり、神経ブロック注射をしたり、治療に難渋します。
治療はときに、数か月、数年と長期間に及ぶこともあります。
この後遺症ができるだけ出ないようにするには、どうすればよいのでしょうか?
続きはまた次回お話します。
2010年
1月
15日
前回は、帯状疱疹の原因について簡単にお話しました。
http://www.yoheikudo.com/?p=50.html
今回は、症状についてです。
「水痘」と「帯状疱疹」は原因ウイルスが同じですが、
その「症状」は全く違います。
帯状疱疹の「典型的な症状」を挙げます。
大事なので(その理由は後述します)、覚えておくと良いかと思います。
まず、皮膚に症状が出る数日前から、
病変部の皮膚に、「神経痛のようなピリピリした痛み」や、
「重苦しさ、違和感」「痛がゆい感じ」がします。
そして、その数日後に、皮膚症状がでます。
最初は、数ミリ大の「少し盛りあがった小さい赤み」ですが、
その後、徐々に小さい「水疱(みずぶくれ)」ができはじめます。
そして少しずつ発疹の範囲が広がっていきます。
この発疹は数日でピークをむかえますが、
この水疱がどんどん広がり、広範囲に及ぶこともあります。
この頃は、かなり強い
「ぴりぴりとした痛み」を感じるようになります。
また、発疹が広範囲に広がった場合、発疹が治まった後にも、
皮膚に潰瘍(きず)・瘢痕(へこみ)が残ることもあります。
ただし、このウイルスは神経に沿って悪さをするので、
発疹の範囲は、神経の範囲、神経の走行に沿った出かたをします。
そのため、基本的には、体の片側にでます。
神経は体の左右で別な枝が伸びていることが多いためです。
例えば、顔の右半分、体の左半分、右の太ももだけ・・・
などのようにです。
そのため、体の正中線を越えて両側に出るようなことがあれば、
帯状疱疹でない可能性が高いです。
痛みのピークは、発疹が出てから7~10日ごろです。
その後は徐々に痛みは治まってきて、消えます。
発疹は徐々にかさぶたになり、3~4週間で治癒します。
多くは、茶色く色素沈着(しみ)が残りますが、
数か月から数年で徐々に消えていきます。
これが「典型的な」症状です。
ただし、病院の受診と治療が遅れると、大変な後遺症が残ることがあります。
それが帯状疱疹後神経痛です。
続きはまた次回お話しますね。
2010年
1月
07日
今回は、「帯状疱疹(たいじょうほうしん)」についてお話します。
「帯状疱疹」は、高齢者の病気だと思っている方もいますが、
からだの免疫力・抵抗力が低下した時に発症するので、若くても発症します。
ですからあなたにも発症する可能性があります。
そして、病院の受診と治療が遅れると、
大変な後遺症(帯状疱疹後神経痛)が残ることがあります。
きちんと、この病気について知っておくことをおすすめします。
帯状疱疹はウイルスが原因で起こります。
原因ウイルスは、
「varicella-zoster virus(水痘-帯状疱疹ウイルス)」です。
「水痘(すいとう)」と「帯状疱疹」は同じウイルスが原因です。
そのため、このウイルスに「水痘-帯状疱疹ウイルス」という名前がついています。
ちなみに、この「水痘(すいとう)」とは「みずぼうそう」のことです。
あなたは子供の頃、「水ぼうそう」にかかったでしょうか?
水ぼうそうは、「水痘ワクチン」があるので、
ワクチンを接種した方もいらっしゃるでしょう。
この「水痘-帯状疱疹ウイルス」が、初めて子供の体に感染すると、
「水痘(水ぼうそう)」を発症します。
水痘自体は、1週間で治りますが、
実は、このウイルスは死滅するわけではありません。
体内に残り、からだのどこかの神経の一部に潜伏します。
普段は、そこでおとなしくしています。
何年も、何十年もおとなしく潜伏しています。
ですから、ほとんどの大人は、このウイルスを既に持っています。
ところが、あなたがストレスや病気、疲れたりして、
からだの抵抗力が落ちてくると、
それまで潜伏していたウイルスが再活性化し、
神経を伝ってウイルスが顔をだし、皮膚にも悪さをします。
これが「帯状疱疹」です。
次回は、典型的な症状についてお話します。