アーカイブ 2009年11月

2009年 11月 23日

【ニキビ治療の裏ワザ(1)】「20歳を過ぎたら吹き出物」のウソ

カテゴリー ニキビ治療の裏ワザ

ある日の診察室。

30代の女性患者さんに、

「診断はニキビですね」

と言ったところ

「いえ!これは吹き出物です!」

と強く否定されたことがありました。

その時は、その意味が判りませんでしたが、あとになって、

「ニキビは若い人。20歳過ぎたら吹き出物(に名前が変わる)」

と信じている女性が多いと知りました。

確かに一般向けの美容の本を読むと、堂々とそう断言している本もありますね。

しかし、これは医学的には全くの間違いです。

ニキビも吹き出物も全く同じものですし、年齢で区分けできるものではありません。

「大人の吹き出物はホルモンバランスが原因だからニキビとは別もの」

のように解説している本もあります。

もちろんホルモンバランスは大きな原因ではありますが、
それだけが原因ではありません。
逆に言えば、思春期のニキビだってホルモンバランスが影響しています。

また、「20歳を過ぎたら」ではなく、

「”25歳”を過ぎたら吹き出物です!」と書いてある本まであります。

「何歳でわけるのか?」というところさえ、あいまいなようです。

インターネットのフリー百科事典「ウィキペディア」でも

「成人のニキビは吹き出物とされる」

と書いてありますが、よく見ると脚注が付いていて、

[要出典]

と書かれています。

「要出典」とはつまり、「きちんとした根拠がないので、証拠が必要です」ということですね。

皮膚科のお医者さんで、「20歳過ぎたら吹き出物」と思っている人はほとんどいないのではないでしょうか。

あくまで、ニキビはニキビです。

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2009年 11月 11日

【ステロイド軟膏の使用のコツ(1)】手とほっぺではステロイド軟膏の吸収量が違う?

今回は、ステロイド軟膏の使い方についてお話します。

あなたは、ステロイド軟膏を使ったことがありますか?

アトピー性皮膚炎や、湿疹など、
ステロイドの入った軟膏を
頻繁に使っている方も多いかも知れません。

「私は一度も使ったことがないと思います」

という方もいるかも知れませんね。

でも、実は、虫さされや、かぶれ、湿疹など
ちょっとしたかゆみに対して使う軟膏にも、ステロイドが入っていることが多いです。

ですから、気付いていないだけで、
ほとんどの方がステロイド軟膏を使ったことがあると思います。

ステロイド軟膏を病院や薬局でもらうとき

「このお薬は強いので、体には塗っても大丈夫です。
 でも、顔には強すぎるので塗らないでくださいね。」

と説明されたことはあるでしょうか?

アトピーなどで、頻繁に皮膚科に通っている方ですと
聞いたことがあるかも知れません。

これは、軟膏の「吸収量」が体の場所によって違うからなんです。
基本的には皮膚の厚さの違いからくるものです。

「かかと」に塗るときと「お顔」に塗るのでは、
「お顔」の方がたくさん吸収しそうなイメージは何となくつくかもしれません。

では、実際にどれくらいの違いがあるのでしょうか?

ステロイド軟膏を体の色々な部分に塗り、
その後の尿中への排泄量を測定した、
Feldmannらによる1974年の海外の報告があります。

まず、「前腕の内側」を基準とします。

「前腕」とは、「二の腕」と「手首」の間の部分のことです。
「内側」とは、手のひらと続いている側、つまり日焼けしにくい側のことです。

この「前腕の内側」にステロイド軟膏を塗ったときの吸収量を「1」とします。

それとくらべると・・・他の部分の吸収量はどれくらいでしょうか?

一覧表にまとめてみましょう。

——————–
頭皮 :3.5

頬 :13.0

首 :6.0

わき :3.6

背中 :1.7

前腕 :1.1
(外側)

前腕 :1.0(基準)
(内側)

手のひら:0.83

陰嚢 :42.0

足首 :0.42

足の裏 :0.14

———————

となります。

どうでしょうか。

「わき」では3.6倍・・・

「首」では前腕の6倍・・・

「頬」では13倍・・・

そして男性の「陰嚢」部分ではなんと42倍・・・

も塗り薬が吸収されやすいんですね。

逆に、「足の裏」は皮が厚いため、「前腕」の約10分の1の吸収率です。

皮膚科医はこの倍率を頭にいれたうえで、
塗り薬を出します。

ですから、

「そういえば手の湿疹にだされたお薬がまだ
 残っていたので、頬のかゆみに塗っちゃえ」

「これ以前もらった塗り薬だけど、どこに塗るのに
 もらったのか忘れちゃった・・・。まぁいいや、首に塗っちゃえ」

という判断が、ちょっと危険であることがわかっていただけるかと思います。

一時的に塗るだけならまだ良いかも知れませんが
長期的に塗り続けると副作用が出る可能性が非常に高まってしまいます。

どうぞご注意ください。

また、この倍率は、
ステロイド以外のお薬でも同様の結果が認められています。

ステロイド軟膏はもちろん、
ステロイド以外の軟膏を塗るときの目安にもなります。

自分に関係のありそうな部位の倍率だけでも良いので
覚えておくと役立つと思います。

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2009年 11月 05日

内服と頓服って違うんですか?

病院からもらうお薬の袋をよくみると
飲み方のところに、

「内服(ないふく)」と書いてあることもあれば

「頓服(とんぷく)」「頓用(とんよう)」と書いてあることもあります。

この違いは何でしょうか?

「内服」とは簡単に言えば「定期的にお薬を飲むこと」です。

「頓服」「頓用」とは、「症状が出たときに、臨時で飲むこと」です。

例えば、「朝と夜、食後に飲んでください」とか「毎食後」というのは、
定期的に、飲むタイミングが決まっているので「内服」です。

また、「発熱時」「頭痛時」「お腹が痛いとき」など、
症状が出たときに、そのタイミングで、臨時に飲む場合は「頓服」となります。

我々医師や看護師は、お薬を渡して説明するとき、
ちゃんと区別して使うことが多いです。

ですからついつい、私たちは「患者さんも知っているだろう」と思って
「このお薬は頓服ですので」などと説明してしまうことがあります。

この言葉を知っておくと、
医師や看護師、薬剤師さんからの薬の説明を受ける時もわかりやすくなります。

また、お薬を沢山もらってきて、どれをいつ飲むのかわからなくなるときもあります。
そんなとき、この言葉を知っておくと、お薬の袋をみて区別できます。

覚えておくと役に立つと思います。

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